高齢者の筋トレは週2〜3日が目安 寒い時期に自宅でできる運動

朝晩が冷え込み、外を歩く機会が減ってきた方も多いのではないでしょうか。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」は、高齢の方に筋力トレーニング(筋トレ)を週2〜3日行うことを勧めています。特別な道具やジムがなくても、椅子や机を使って自宅で取り組めます。この記事では、国の目安と、寒い時期でも家の中で続けやすい運動の例、福岡市が公開している体操動画を紹介します。

目次

高齢者の運動の目安は「筋トレ週2〜3日」

厚生労働省のガイドによる高齢者の身体活動・運動の目安。歩行など1日40分以上、多要素な運動週3日以上、筋力トレーニング週2〜3日
出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」を基に脳活新聞WEB編集部作成

結論から言うと、高齢の方の筋トレは「週2〜3日」が国の目安です。厚生労働省のガイド(高齢者版)では、次の3つが推奨されています。

  1. 歩行またはそれと同じ程度以上の身体活動を、1日40分以上(1日約6,000歩以上に相当)
  2. 筋力・バランス・柔軟性など、いくつかの要素を組み合わせた運動を週3日以上
  3. 筋トレを週2〜3日(2の運動に含めてもよい)

あわせて、座りっぱなしの時間が長くなりすぎないよう注意することも示されています。目安に届かない場合でも、ガイドは「少しでも身体活動を行うこと」を勧めています。できることから始めればよい、という考え方です。

筋トレ・バランス運動が勧められる理由

ガイドは、筋力やバランスの運動を組み合わせたプログラムについて、転倒の危険性が下がったとする研究結果を紹介しています。ランダム化比較試験(効果を比べるための研究方法)の結果として、転倒のなりやすさが12〜32%、転倒による骨折などのなりやすさが15〜66%低かったとしています。

これらの研究で多く採用されていた頻度は「週3日」でした。ただし、数字には幅があり、すべての人に同じ効果があるわけではありません。毎日の暮らしで足腰を使う習慣の一つとして、気軽に取り入れてみてください。

転倒は家の中でも起こります。住まいの見直し方は、高齢者の転倒は自宅で多い 場所別の対策と住まいの見直し方で紹介しています。

寒い日でも自宅でできる筋トレ・バランス運動の例

自宅のリビングで腕を伸ばしてストレッチをするシニアの男性
写真はイメージです

家の中でできる運動の例を紹介します。どれも、椅子や机など身近なものを使います。回数は目安です。体調に合わせて、無理のない範囲で行ってください。

1. 椅子からの立ち座り

太ももやお尻の筋肉を使う運動です。

  1. 安定した椅子に浅めに座り、足を肩幅に開きます。
  2. 机や椅子の背に手を添え、ゆっくり立ち上がります。
  3. ゆっくり腰を下ろして座ります。
  4. 5〜10回を目安に、できる回数から始めます。

2. かかとの上げ下げ

ふくらはぎの筋肉を使う運動です。

  1. 机や椅子の背につかまって立ちます。
  2. かかとをゆっくり上げ、ゆっくり下ろします。
  3. 10回を目安に行います。

3. つかまっての片脚立ち

バランスを保つ力を使う運動です。

  1. 机や壁に手をついて立ちます。
  2. 片方の足を床から少しだけ浮かせ、数秒間そのままの姿勢を保ちます。
  3. 反対の足も同じように行います。

4. 座ったままの膝伸ばし

立つのが不安な方にも取り組みやすい運動です。

  1. 椅子に深く座り、背筋を伸ばします。
  2. 片方の膝をゆっくり伸ばし、数秒止めてから下ろします。
  3. 左右交互に5〜10回行います。

続けるための工夫

  • テレビのCMの間や、湯が沸くまでの時間など、「ついで」に行う
  • カレンダーに印を付け、週2〜3日を目標にする
  • 長く座り続けず、ときどき立ち上がって体を動かす

運動するときの注意点

ガイドは、身体機能が低下している高齢の方について、安全に配慮し、転倒などに注意するよう求めています。次の点を心がけてください。

  • 床に物を置かず、滑りにくい靴下や素足で行う
  • 体が冷えている朝は、軽く手足を動かしてから始める
  • 息を止めず、ゆっくり呼吸しながら行う
  • 痛みや息苦しさ、めまいを感じたら、すぐに中止する

持病がある方や、医師から運動を制限されている方は、始める前にかかりつけ医に相談しましょう。

福岡市の「よかトレ」体操動画も活用を

広い室内で椅子に座って体操をするシニアのグループ
写真はイメージです

一人では続けにくい方には、自治体の体操動画も役に立ちます。福岡市は、市が推進する健康体操を「よかトレ」と呼び、ホームページで動画を紹介しています。

福岡市西区のページによると、動画には次のようなものがあります(2026年10月時点)。

  • かんたん体操 きらくにコース(約8分)
  • かんたん体操 ほどよくコース(約14分)
  • 足元気体操(約7分半)
  • 黒田節体操(約6分)
  • かんたん体操アラカルト「下肢筋力アップ」1・2(約4分半、約5分)

福岡市は、地域で介護予防や健康づくりに取り組む団体などを「よかトレ実践ステーション」に認定しています。近くの公民館などで仲間と体を動かしたい方は、お住まいの区の保健福祉センター(地域保健福祉課)に問い合わせてみてください。

よくある質問

Q. 筋トレは毎日したほうがよいですか?

A. 厚生労働省のガイドの目安は「週2〜3日」です。毎日でなくてもかまいません。散歩や家事など、ほかの日も体を動かす時間をつくると、1日40分の身体活動の目安にも近づきます。

Q. 膝や腰が痛いときは、どうすればよいですか?

A. 痛みがあるときは無理に行わないでください。座ったままの運動など負担の少ないものから始める方法もありますが、痛みが続く場合は、かかりつけ医や整形外科に相談しましょう。

Q. 何歳からでも始められますか?

A. ガイドは、目安に届かない場合でも少しでも体を動かすことを勧めています。年齢や体力に応じて、強度や回数を調整しながら取り組むことが大切です。

まとめ

  • 厚生労働省のガイドでは、高齢の方の筋トレは「週2〜3日」が目安
  • 椅子からの立ち座りや、かかとの上げ下げなど、自宅でできる運動から始められる
  • 痛みや体調の変化があれば中止し、持病のある方はかかりつけ医に相談を

寒い季節も、家の中で少しずつ体を動かしてみませんか。体を動かしたあとは、頭の体操もどうぞ。今日の脳トレに挑戦してみてください。外を歩くときのコツは、秋のウオーキング シニアの歩数の目安は? 安全に続けるコツで紹介しています。

毎朝の脳トレをLINEでお届けしています。

参考資料

※この記事の内容は2026年10月時点の情報です。

文:脳活新聞WEB編集部(西日本新聞社)

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次