福岡県を代表する特産品「福岡の八女茶」が今年、発祥600年を迎える。緑茶は体に良いとされる成分を多く含み、健康増進のためにも取り入れたい飲み物として国外からも注目されている。八女茶ならではの魅力について、福岡の八女茶発祥600年祭実行委員長を務める八女市長の三田村統之氏に聞きました。
<三田村 統之氏 プロフィル>1944年生まれ。早稲田大学卒業後、75年八女市議会議員、91年福岡県議会議員、2005年福岡県議会副議長。08年11月八女市長に就任
目次
特有の傾斜地が育む、うまみの強い八女茶
―発祥600年の今年は、どのような活動計画ですか。
献茶祭や新茶まつりなど例年の催しをはじめ、今年は「全国お茶まつり」が福岡県で開催されます。10月には「福岡の八女茶発祥600年祭」として式典やさまざまなイベント、八女茶に関連する周遊バスツアーなどを予定しています。
―八女茶の特徴とは。
ふくよかな甘みやうまみの強さが味の特徴です。その味わいは2022年度の「全国茶品評会」で、普通煎茶(4㎏)部門は2年連続、玉露部門では22年連続で産地賞を受賞しました。主に黒木町や星野村で生産されていて、なだらかな傾斜地が多く、その土壌や気候が優れた茶葉を育んでいます。
MEMO 栄林周瑞禅師が伝授
八女茶は中国・明から帰国した栄林周瑞禅師が、1423年に茶の栽培法などを地域の庄屋・松尾太郎五郎久家に伝えたのが始まりとされています。
人とのつながりや健康づくりにも一役
―三田村市長の楽しみ方は。
私は朝起きてすぐ、昼休みと夕方、そして帰宅してお茶をいただきます。お茶を飲むことで心が癒やされるというか、ストレスが抜けていきます。老化予防にもなるというし、肉体的にも精神的にも良い作用があると思います。
―600年祭実行委員長としての思いを。
八女茶の振興だけでなく、人々の生活の中で、お茶がいかに大きな役割を果たしているかを伝えたいですね。発祥の地とされる黒木町の霊巌寺を中心にした八女茶の歴史の中で、お茶は地域や家族の絆をつないできました。また、カテキンやビタミンCなどの栄養分も豊富です。人と人とのつながりに、そして健康づくりに、ぜひ多くの方にお茶に親しんでもらい、ライフスタイルに取り入れてほしいと思います。
MEMO 抗菌や老化予防に緑茶
緑茶は体に良い成分を多く含み、健康増進に取り入れたい効能があるといわれます。
カテキン…抗菌、発がん抑制、動脈硬化や脳卒中を防ぐ抗酸化、老化抑制、アミロイドβ蓄積抑制など
テアニン…脳神経細胞保護
フッ素…虫歯予防
フラボノイド…口臭予防、血管壁強化
ビタミンC…ストレス解消、風邪の予防 ほか
参考:福岡県茶業振興推進協議会「緑茶の成分とその生体調節機能」 ほか