【運動と脳活】体をほぐしてニコニコペースの運動習慣を

コロナ禍が長引く中、家にこもりがちで運動不足になる人が増えているといいます。認知症リスクが高まるとされる肥満や生活習慣病予防のためにも、少しでも体を動かす習慣を続けたいですね。「有酸素運動などを始める前に、まずは体をほぐしましょう。そして運動はニコニコペースで」とフィットネスクラブ「スタディオパラディソ」の代表、森山暎子さんは呼びかけます。

目次

目指すのは0次予防 自分の体質や体力を知ろう

スタディオパラディソの森山暎子さん

話をしてくれたのは?

森山暎子(もりやま ひでこ)さん
スタディオパラディソ代表取締役、10分ランチフィットネス協会代表理事、福岡大学スポーツ科学部非常勤講師、日本フィットネス協会参与、福岡レクリエーション協会副会長

福岡市で1986年から続くフィットネスクラブ「スタディオパラディソ」(福岡市南区)を運営す森山暎子さんは、幅広い世代の健康支援のほか、運動に苦手意識のある人も楽しめるプログラムを提案しています。福岡市や地場企業などと協力して推進した「10分ランチフィットネス®」(パラディソ体操®)は広く知られています。医療機関や高齢者施設に出向き、講座や運動指導も行います。

福岡市役所西側ふれあい広場で行った「10分ランチフィットネス」の様子

「目指しているのは0次予防。個人の努力や意志とは別に、いつの間にか健康につながる行動がとれる環境を整えるという考えで、介護予防にもつながります。〝チャーミングな地域社会〞の創造に貢献したい」と森山さんは話します。

硬くなった肩や腰を ゆっくり伸ばそう

「運動前に体をほぐすと効果が高まりますよ」

コロナ禍で運動不足が心配される人には、「ウオーキングや体操、その場での足踏みでもいいので毎日体を動かしましょう。肩甲骨や首回り、足や腰などが硬くなっている場合が多いので、まずは体をほぐして」とアドバイス。ウオーキングなど有酸素運動を始める前に体をほぐすと、運動効果が高まることが分かっているといいます。

スタディオパラディソでは幅広い年代が体を動かしています

さらに「自分のペースを知るのが大事。いきなり強い運動をすると体に負担がかかりますし、きつくて長続きしません。ニコニコペースで無理なく行うのが継続させるコツ」と話します。森山さんのスタジオには3歳から90代までが通っていて、中には30年も続けている人がいるそうです。

※ニコニコペース運動…最大酸素摂取量の約50%に相当する運動強度の持久的運動。息は少し弾んでいても人と会話ができる程度。笑顔でできる上限のペースに近いのでこう呼ばれる。運動不足に起因する疾病の予防、改善、前頭葉機能の向上に有効かつ安全と科学的に証明されている、福岡大学スポーツ科学部と同医学部の協働研究による理論

今回、パラディソでエクササイズ前に行う「腰立(こしたて)ストレッチ」を紹介してくれました。「脇腹をほぐすことで深い呼吸ができ、腰骨を立てて丹田(たんでん)の姿勢を整えることで効果的な体の動かし方につながります」と解説します。毎日の習慣に取り入れてみては。

※丹田…へそ下の下腹部

<腰立ストレッチ>脇腹をほぐし、美しい姿勢づくりに

しっかりと呼吸をしている状態を確かめてから運動に移りましょう。

1 両足を肩幅の広さに開き、右足に重心を移動する

右足に重心をかける

2 右手を肩に乗せ、右肘を上げる

左手は足につけておく

3 脇腹を伸ばしながら右腕を真上に伸ばし、5 秒程度キープする

脇腹をゆっくり伸ばしてキープ

ゆっくり1の姿勢に戻り、2 回程度繰り返す。
※左も同じように行います

<指まわし>使わない指をほぐして脳刺激

指のストレッチでこわばりを取れ、手先の動きがよくなります。指の変形や痛みを予防する期待ができます。

1 まずは指を反らせてストレッチ

「1本ずつ反らせて伸ばしましょう」 (森山さん)
「左右の手の指を伸ばします。あまり使っていない指こそしっかりと」

2 左右の指をそれぞれくっつけた後、親指、人差し指、中指と一つずつ指を離してくるくる回す

人差し指をくるくる回す。ほかの指はくっつけておきます

3 順番に指を変えていく

親指、人差し指を回したら、中指、薬指、小指と指を変えていきます

「中指と薬指を回すのが案外難しいけれど、続けているとできるようになりますよ」と森山さんはアドバイス。

「ほかの指が離れないようしっかりつけると回しやすいようです」

<足指ほぐし>足の血流を促し足指をほぐす

1 足の指を広げたり反らせたりしてストレッチ

足の指を1本ずつしっかり広げて血流を促す
足指の間に手の指を入れて反らしたり広げたりしながらほぐしていく

2 手で行うのが難しい場合は、もう片方の足を足指の間に入れる

「足に手が届かない人、足を組むのが苦しい人は足を使いましょう」
足の指の間にもう片方の足を入れてほぐす。「さするくらいでも十分ですよ」(森山さん)
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この記事を書いた人

脳活、運動、食事、睡眠、社会参加、脳トレなどの普及・啓発活動による健康寿命の延伸・認知症予防の実現を目指す「脳活新聞」

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