厳しい暑さが長く続いた今年、冷たい飲料を飲み過ぎたり食欲が衰えたりと、胃腸が疲れ、体力が低下していないでしょうか。「寒くなる前に腸内環境を整えて体力と免疫力を上げておきたいですね。腸活を意識した食事を取りましょう」とFOOD&HEALTH協会ククルテ代表理事で管理栄養士の大部正代さん。そのための食事のヒントや腸活レシピを聞きました。
話を伺ったのは?
管理栄養士 大部正代氏
FOOD&HEALTH協会ククルテ代表理事、管理栄養士。福岡県栄養士会会長、日本病態栄養学会理事、福岡県糖尿病療養指導士会会長。浜の町病院、中村学園大学栄養科学部教授を経てククルテを設立
目次
キノコ類や海藻類野菜を食べよう
―今年は残暑厳しく、新型コロナ感染症やインフルエンザが流行するなど、多くの人が夏の疲れを引きずっているように思います。
冷たい飲料や食べ物を取り過ぎて胃腸が疲れている人が多いことでしょう。また、暑さで食欲不振になった人もいると思います。長雨や日照りの影響で野菜の価格が高騰していたこともあって、野菜を食べる量が減ったなど好ましくない状況もあります。秋、冬は野菜をはじめ胃腸に良い食材や食品をうまく取り入れて腸内環境を整えたいですね。
―主にどんな食材、食品が良いでしょうか。
腸内環境を整えるには、腸内の善玉菌を増やす必要があります。そのために有効な働きをするのが、まずは、食物繊維が豊富な野菜。厚生労働省では野菜を1日に約350g摂取しましょうと提唱していますが、福岡県民は元々あまり食べていなくて280gくらいというデータがあるんですよ。これに昨今の野菜の価格高騰があるので少し心配ですね。
―野菜のほかには何がありますか。
これからの季節においしくなる、菌類のキノコ類も水溶性食物繊維が豊富な上に味わいも深く、また価格も安定しているので積極的に取り入れたい食材です。ほかにはコンブやワカメ、モズクなどの海藻類、豆腐など豆類、そして発酵食品も腸内環境を良くするので上手に食べたいですね。
善玉菌を増やす「発酵食品」を食卓に
―発酵食品といえば、以前水キムチの作り方を紹介してくださいました。手軽に取り入れられる発酵食品は何がありますか。
発酵食品はさまざまな種類があり、例えばヨーグルトやキムチ、ぬか漬け(乳酸菌)、酢(酢酸菌)、納豆(納豆菌)、みそやしょうゆ、甘酒(こうじ菌)などです。納豆やヨーグルトは、最近は少量タイプなど種類が豊富で、毎日食べている人もいらっしゃるかと思います。
また、甘酒やヨーグルトドリンクといった飲料タイプは、さらに手軽に摂取できます。食欲が落ちている場合には飲料をうまく取り入れて栄養を補う工夫も必要です。野菜ジュースで割って飲むのもおすすめです。
―発酵食品を食材や調味料として意識して取り入れるといいのですね。
一緒に野菜を食べるように心がけてください。そうすることで腸内環境が整い、免疫細胞の活性化につながります。便秘や肌荒れの改善も期待できますよ。
―ほかにおすすめの食材があれば。
高齢の方は野菜と同じくらい、タンパク質も積極的に取り入れてほしいので、魚を上手に食べましょう。アジ、イワシ、サバなどをホイルで包み、シメジやマイタケなどキノコ類を入れ、塩こうじをかけてフライパンやグリルで焼くだけでも立派な一品になります。
―上手に食べて、寒くなる前に免疫力を上げておきたいですね。
頭も手も使う調理は、優れた脳活です。腸活に良い発酵食品や野菜を使い、1日1品でいいので自分のために調理して食べて「脳活&腸活」の健康生活を目指しましょう。
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