ふくすま:Vol.2-2 生活支援からみとり対応まで 福岡市の話題の老人ホームを取材

入所する高齢者の健康状態や介護度に応じて、多様なタイプの老人ホームがある。さまざまなニーズに対応できる施設が増える中、福岡市で話題の老人ホームを取材した。

目次

総合老人福祉施設「ライフケア大手門」

福岡市中央区大手門2丁目

特養、ケアハウス、グループホームが同居

 鉄筋6階の建物にケアハウス(定員30人)、グループホーム(同9人)、特別養護老人ホーム(同70人)という形態の異なる施設が「同居」している。

 ケアハウスは自立した独り暮らしの高齢者が将来不安を感じて入所するケースが多いという。グループホームは要支援2以上で、認知症と診断された高齢者が入所できる。特別養護老人ホームは要介護3~5の高齢者が対象。週2日、医師の往診があり、協力医療機関と連携してみとりなども行う。

 高齢者の要介護度や健康状態に合わせてサービスを選ぶことができる。他施設に移る人もいるが、施設内のすべてのサービスを利用する入所者もおり、生活環境を変えずに同一の建物で長く生活できるのが、この施設のセールスポイントといえる。

 このほか、在宅で生活する高齢者が利用する「デイサービスセンター」を備え、介護が必要になった高齢者を短期間、家族に代わって世話するショートステイ(定員20人)のサービスも行っている。
 施設周辺には博多湾、大濠公園、西公園・福岡城跡地など福岡都心にありながら、自然や文化を感じられる場所にあり、スタッフと散策を楽しむ入所者には笑顔があふれていた。

【料金の目安】

 (月額料金例) 特別養護老人ホームに要介護3の人が入所する場合 介護サービス費2万8890円 居室・食費7万2450円 計10万1340円~ 入居一時金なし。
 詳しくは ライフケア大手門 ☎092-726-6333

サービス付き高齢者向け住宅「えがおで寺塚」

福岡市南区寺塚2丁目

住宅内にクリニック併設

 福岡市の閑静な住宅街にある。1番館(5階建て、74室)と2番館(4階建て、64室)は、ともに広々としたロビーやウオーキングなどを楽しめる屋上庭園を備えていて、さながらリゾートホテルのような雰囲気がある。

 最大の特徴は1番館の1階にクリニックを併設していることだ。福岡市のサ高住では珍しい。この「寺塚クリニック」は、一般内科と脳神経内科の専門医療を提供。医師は高齢者に多い認知症やパーキンソン病などに詳しい。入所者や家族は「かかりつけ医」がそばにいることに安心感があるそうだ。

 医師が定期的に館内を回って診療を行い、入所者の健康状態を把握。看護師も24時間体制で配置されており、みとりなど緊急時の対応にも万全を期している。クリニックは近隣住民への訪問診療も行っている。

 入所者の介護度に応じて「自立・要支援」と「要介護・認知症専用」というようにフロアを分けている。看護師20人、職員120人という大人数のスタッフの存在が「きめの細かいケア」につながっているそうだ。入所者の平均年齢はなんと91歳、「元気に長生きできる体制が整っている証拠だと思います」と中田真二・施設長は力を込めた。

料金の目安】

 毎月の支払いは家賃、共益費、水道・光熱費、食費、生活相談・安否確認費が必要で計21万5200円から。介護保険料・定額生活サポート料などが別途必要。
 詳しくは 「えがおで寺塚」まで。 ☎0120-3456-11

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