女性の発毛治療を中心に行う「クレアージュ東京 エイジングケアクリニック(東京都千代田区)」の院長・浜中聡子先生が、加齢とともに関心が高まる「白髪」の悩みについて解説します。
目次
白髪の原因はほぼ「加齢」
髪の色は、毛根部にあるメラノサイトという色素細胞で作られます。
若い頃はメラノサイトが活発に働いてメラニン色素をつくり、髪に色を届けます。しかし、メラノサイトの働きが年齢とともに鈍くなり、つくられるメラニン色素が減少すると髪色も薄くなり、多くは黒から茶色や灰色へ、そして白へと段階的に変わっていきます。
メラノサイトの働きが悪くなる一番の原因は加齢。
年齢とともに体内の血流が悪くなるため、メラノサイトのある毛根部に栄養が行き渡らなくなり、若いときのように活発に働かなくなります。
また、白髪は、薄毛や抜け毛に比べると、遺伝的要因も大きく、若白髪も含め白髪が出始める時期・白髪の現れ方には遺伝が強く関係していると言われます。
その他、
・過度な食事制限などをするダイエットや偏食による鉄分、タンパク質、ミネラル類などの栄養不足
・生活習慣の乱れによる血行不良や自律神経系、ホルモンの分泌量減少
なども、白髪に影響を及ぼします。
現代女性は白髪になるスピードが早い?
遺伝や加齢よりは劣りますが、白髪のメカニズムと関係性が高いと言われているのが「ストレス」。
ストレスを感じた際に交感神経興奮により分泌されるノルアドレナリンがメラノサイトという色素細胞の減少に関わることが明らかになっています。
常にストレス状態にある現代女性は、頭皮にも影響を及ぼし、白髪の発現する時期が早まっている可能性も。
その他、栄養不足や生活習慣の乱れに加え「スマホ/PCの見過ぎにより睡眠の質が低下すること」も白髪が早まる理由に挙げられます。
スマホやパソコンで眼を酷使することで、眼球付近の筋肉が凝り固まり、毛細血管の血流を滞らせることによって疲労物や老廃物が溜まっていきます。
すると、頭部の筋肉が凝り固まり、血行不良により頭皮環境が乱れるという負のスパイラルに。眼精疲労にも注意です。
浜中聡子院長に聞く、白髪にまつわるQ&A 5選
1.白髪は治せる?
残念ながら加齢による白髪は黒髪に戻ることはほとんどありません。
一度白髪になった毛根からは、8〜9割は再び白髪が生えてきます。
2.女性ホルモンも白髪に関係する?
女性ホルモンは髪の毛の老化(密度の低下、軟毛化、白髪化)抑制に関与しています。
また、女性ホルモンは白髪に限らず健やかな髪を保つために重要です。
3.白髪は抜いたほうが良い?
白髪は抜いても、次に生えてくる髪は再び白髪である可能性が高いです。さらに、髪を抜くと薄毛にもつながるためなるべく抜かないのがベスト。
白髪が気になるようであれば、根元から切るか白髪染めやカラーリングなどで染める方が良いでしょう。
4.わかめや昆布など海藻類で、白髪は予防できる?
海藻類には髪に良いとされるミネラルが豊富というだけで、白髪の予防につながる効果は残念ながら期待できません。
5.みんなが綺麗なグレーヘアになれる?
髪色は、二種類のメラミン色素によって決まり、黒褐色系の「ユーメラミン」が多いと黒髪に、黄赤色系の「フェオメラニン」が多いとブロンドになります。
日本人は「ユーメラミン」の含有量が多いので黒髪が多いのですが、実はこの2種類のどちらが先に減るかによって、グレーに近い白髪と黄色みのつよい白髪に分かれます。
グレーに近い白髪だと若々しく艶やかに見える一方、黄色みのつよい白髪になってしまうと老けて見えてしまう傾向があります。
黄色みのつよい白髪は、タバコを吸う人や飲酒の機会が多い人によく見られるため、将来的に美しい白髪になりたいのであれば、生活習慣にも気をつけた方が良いです。
監修者|クレアージュ東京 エイジングケアクリニック院長 浜中聡子先生
15年に渡り女性の髪の悩みに携わってきた女性専門・頭髪治療の第一人者として、「クレアージュ東京 エイジングケアクリニック」にて、心身ともに健康で充実した毎日を過ごすことができるよう、医療面からのサポート。