「野菜は食べているつもりだけれど、足りているのか分からない」。食物繊維について、そう感じている方は多いのではないでしょうか。
国の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、食物繊維の1日の目標量を65〜74歳の男性で21g以上、女性で18g以上としています。ただ、実際にはこの量に届いていない人が多いとされています。この記事では、年代別の目安と、さつまいもやきのこなど秋においしい食材で無理なく増やす工夫を紹介します。
目次
食物繊維の1日の目安は? 65〜74歳の男性は21g以上
出典:厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書を基に脳活新聞WEB編集部作成
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」は、生活習慣病の予防のために目指したい量として、食物繊維の「目標量」を年代・性別ごとに示しています。
- 50〜64歳:男性22g以上、女性18g以上
- 65〜74歳:男性21g以上、女性18g以上
- 75歳以上:男性20g以上、女性17g以上
同基準の報告書では、1日に少なくとも25g程度とることが生活習慣病の予防の面から望ましいと考えられる、としています。そのうえで、今の日本人の摂取量との間をとり、現実的に目指せる値として目標量を決めています。つまり、目標量は「ここまでで十分」という上限ではなく、まずは目指したい最低ラインです。
実際には足りていない人が多い
公益財団法人長寿科学振興財団の解説によると、国民健康・栄養調査(2019年)での食物繊維の摂取量の平均は1日18.4gでした。同財団は、多くの人で不足しているため、意識してとることが大切だとしています。
食物繊維にはどんな働きがある?
食物繊維は、人の消化酵素では分解されない食べ物の成分です。水に溶ける「水溶性」と、溶けにくい「不溶性」の2種類があります。長寿科学振興財団は、それぞれの主な働きを次のように紹介しています。
- 水溶性食物繊維:食後の血糖値の急な上昇を穏やかにしたり、血中のコレステロールを下げたりする働き
- 不溶性食物繊維:便のかさを増やし、お通じを助ける働き
- どちらも腸内細菌のえさになり、ビフィズス菌などの善玉菌を増やす働き
どちらか一方ではなく、いろいろな食材から両方をとるのがおすすめです。
秋の食材で増やすコツ 主食・おかず・汁物に一品ずつ
写真はイメージです
食物繊維は、一つの食材でまとめてとるよりも、毎食少しずつ足していくほうが続けやすくなります。長寿科学振興財団が食物繊維を多く含む食品として挙げるものから、秋に取り入れやすい食材を中心に紹介します。
1. 主食をひと工夫する
白いご飯に、発芽玄米や雑穀を少し混ぜるだけでも違いが出ます。パンなら、ライ麦パンを選ぶのも一つの方法です。
2. いも類・きのこ・根菜をおかずに
秋はさつまいもやさといもがおいしい季節です。干ししいたけやきくらげなどのきのこ類、ごぼうも食物繊維を多く含みます。煮物やきんぴら、炊き込みご飯にすると、一度に何種類かをとれます。
3. 豆・海藻を常備菜に
納豆は水溶性と不溶性の両方をバランスよく含む食品です。おから、あずき、いんげん豆、わかめ、昆布なども取り入れやすい食材です。ひじきの煮物や豆の煮物を作り置きしておくと、1品足すのが楽になります。
4. 野菜は1日350gを目標に
国の健康づくりの指針「健康日本21(第三次)」は、野菜の摂取量の目標を1日350gとしています。生野菜より、加熱してかさを減らした温野菜やみそ汁の具にすると、量を食べやすくなります。
食物繊維を増やすときの注意点
急に量を増やすと、おなかが張るなど体に合わないことがあります。少しずつ増やし、水分もこまめにとりましょう。
また、持病で食事の制限がある方、おなかの手術を受けたことがある方は、食事の内容をかかりつけ医や管理栄養士に相談してから見直すと安心です。お通じの状態が急に変わった、便に血が混じるなど気になる症状がある場合は、食事で様子を見ずに医療機関を受診してください。
よくある質問
Q. 食物繊維はサプリメントでとってもいいですか?
国の目標量は、ふだんの食事からとることを前提にしています。いも類やきのこ、豆、野菜などの食品には、食物繊維のほかにもビタミンやミネラルが含まれます。まずは毎日の食事で、主食・おかず・汁物に一品ずつ足すことから始めてみましょう。
Q. 75歳以上でも目標量は変わりますか?
75歳以上の目標量は、男性20g以上、女性17g以上です。65〜74歳より少し低めですが、目指したい量であることに変わりはありません。食が細くなった方は、量より品数を意識して、少しずつ取り入れてください。
Q. 野菜ジュースで代わりになりますか?
製品によって食物繊維の量はさまざまです。野菜ジュースだけに頼らず、温野菜やみそ汁の具など、食事の中で野菜をとる工夫と組み合わせるのがおすすめです。
まとめ
- 食物繊維の1日の目標量は、65〜74歳で男性21g以上、女性18g以上(日本人の食事摂取基準2025年版)
- 実際には目標量に届いていない人が多く、意識してとることが大切
- さつまいも、きのこ、豆、海藻などを、主食・おかず・汁物に一品ずつ足すと続けやすい
この週末は、秋の味覚を使った一品を食卓に加えてみませんか。塩分が気になる方は、高齢者の減塩 1日の目安と毎日の食事で無理なく続ける工夫もあわせてご覧ください。
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参考資料
※この記事の内容は2026年10月時点の情報です。
文:脳活新聞WEB編集部(西日本新聞社)