中高年登山者が知るべき低山の危険とは? 登山ブームの影に迫るノンフィクション「低山遭難」発売!

日本一遭難が多いのは富士山でもなく、剱岳でもなく、標高599mの高尾山なんだそう。1200m以下の「低山」遭難の過酷な実例を徹底取材。「低い山だから大丈夫」「日帰りだから装備は最小限でOK」という油断は禁物! 身近な山に潜む危険と安全に楽しむための教訓を伝える一冊です。

目次

「低い山=安全」ではない

1990年代初頭から加熱し始めた中高年の登山ブーム。

その後、山ガールブームやコロナ禍を経て、現在ではシニアから若者、ファミリーまで幅広い層が、ハイキングを楽しんでいます。

しかし近年、「低山」(本書では標高1200メートル以下と定義)における遭難事故が増えていることをご存じですか?

本書内ではこんな数字が紹介されています。

【以下、本書「207ページ」より】

登山者や観光客の増加に伴って増えてきたのが山岳遭難事故である。


警察庁が毎年発表している「山岳遭難の概況等」という統計資料には、2023年分より「主な山岳別遭難状況」というデータが加えられるようになった。

2023年の統計によると、高尾山の遭難者数は133人で、富士山の97人、穂高連峰の80人よりも多かった。

2024年の統計でも、高尾山は131人で、富士山の83人、穂高連峰の66人を抜いて、やはり最多であった。

身近な低山に潜む遭難リスク

「低い山だから安心」「日帰りだから装備は最低限で大丈夫」といった油断が、重大な事故や遭難につながるケースは少なくありません。

【以下、本書「はじめに」より】

低山といえど山は山であり、山特有の、あるいは低山ならではのリスクがそこかしこに存在する。

それを認識せず、「標高の低い山=安全な山」という先入観を持って低山に登ろうとした結果、ケガを負ったり、呆気なく命を落としてしまったりするのは、あまりに悲しい。

そうした現実を知ってもらい、低山での遭難事故防止の一助になればと思い、本書を執筆した。

低山遭難 「まさかの遭難」から生きて帰った人たち

本書では、クマとの遭遇、毒ヘビによる咬傷、滑落、道迷いなど、全国各地の低山で実際に起きた遭難・生還事例を紹介。

当事者たちの生々しい体験談は、思いもよらぬ低山のリスクを把握することができ、無事に下山するための知識と教訓が凝縮されています。

【以下、本書25ページより】

低山のリスクとして挙げておきたいのが危険生物である。

本書ではクマとハブの被害事例を検証しているが、危険生物――マムシ、ヤマカガシ、ハブなどの毒ヘビ類、スズメバチ、イノシシなど――が活発に活動するのは高い山よりも主に低い山のほうだ。

クマは北アルプスなどの高い山にも出没しているが、人身被害は里山や低山、あるいは人里などで多発している。

もともと低山はこれらの生物の生息エリアであり、登山というのはそこへ人間がずかずかと入り込んでいく行為ともいえる。

彼らは基本的に人間を恐れており、自ら好んで攻撃を仕掛けてくるわけではない。

人が被害に遭うのは、多くの場合、彼ら自身や彼らのテリトリーを守るために立ち向かってきた結果である。

著者プロフィール

羽根田 治 (はねだ おさむ)
フリーライター/長野県山岳遭難防止アドバイザー
1961年生まれ。埼玉県さいたま市出身、栃木県那須塩原市在住。日本山岳会会員。山岳遭難や登山技術にまつわる取材を重ね、その成果を山岳雑誌や書籍で発表する一方、沖縄、自然、人物をテーマに執筆活動を続ける。
「これで死ぬ」「あなたはもう遭難している」(以上、山と溪谷社)、「人を襲うクマ」「ドキュメント遭難 山岳遭難の教訓」(以上、ヤマケイ文庫)、「山はおそろしい」(幻冬舎新書)など著書多数。小学生のときから登山を始め、現在はピークハントやハイキング、テレマークスキーを楽しんでいる。好きな低山は石垣島の野底岳。

書籍概要

■書籍名:『低山遭難 : 「まさかの遭難」から生きて帰った人たち』
■著者:羽根田 治
■定価:1,870円(税込)
■発売日‏ :‎ 2026年7月22日
■ISBN ‏ :‎ 978-4-492-22439-7 
■体裁 ‏ :‎ 四六判/並製/248頁
■発行元:株式会社東洋経済新報社

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