【鷲尾愛宕神社】日本三大愛宕の一つ、愛される初日の出の名所

鷲尾愛宕神社は、博多湾や福岡市街地を一望できる、標高68mの愛宕山(旧称・鷲尾山)の頂に鎮座し、およそ2千年の歴史を誇る。火伏せ、厄除け、縁結びの神として、また東京や京都と並んで「日本三大愛宕」の一社として広く信仰されている。

鷲尾愛宕神社の本殿

●御祭神:伊弉諾尊、伊弉冉尊、火産霊神、天忍穂耳尊
●創建:72 年(合祀1901 年)
●代表:宮司 千代和明
●御利益:鎮火・防火/商売繁盛/厄除け/縁結び/開運/家内安全/禁酒禁煙

【御朱印】受付 9〜17時 ※この画像の御朱印は1月のみの授与
目次

歴史・由緒

日本神話の夫婦神と火伏の神を祀る

飲食店などが多く求める火伏せ、防火の祈願札


鷲尾愛宕神社の歴史は第12代景行天皇の時代、この地に伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と天忍穂耳尊(あめのおしほみみのみこと)の2神が祀られたのが鷲尾神社の始まりとされる。平安時代には地域の人々の寄進や住侶らの尽力で社殿が改築され、修験道の地主神として崇敬を集めたものの、鎌倉から室町期には幕府の奉行所である鎮西探題、九州探題が置かれ、戦乱によって神社の宝物や文書、神領は散逸し、社殿も荒廃していったという。
しかし、江戸初期の1634年、第2代福岡藩主・黒田忠之が、京都の愛宕権現(現在の愛宕神社)から火産霊神(ほむすびのかみ)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)の分霊を迎え入れて転機を迎える。忠之は当時、家臣から告発される「黒田騒動」の渦中にあり、幕府から嫌疑をかけられていた。そこで京都の愛宕権現に祈願し、この霊験によって乗り切った。さらに感謝を表すために福岡藩内の鷲尾山を愛宕山と改め、鷲尾神社と共に愛宕神社を祀ったのである。
1901年、神仏分離の制度変遷を迎える中、地元有志らが一丸となって当時の行政に陳情したことで両社は正式に合祀され、現在の鷲尾愛宕神社に。こうして偶然にも伊弉諾、伊弉冉という日本神話の最初の夫婦神が共に祀られることになった。

境内には宇賀神社や伏見稲荷もあり、商売繁盛や家内安全を祈願する参拝客も訪れる。また、御祭神の火産霊神は火伏・防火の神として知られることから、飲食業に携わる人が多く訪れるのも特徴だ。

博多湾を一望、亀井南冥の句碑も

博多湾をはじめ福岡タワーなど福岡市街を一望できる絶景スポットでもある

神社周辺には、時代の変遷を物語るエピソードも多い。昭和初期には愛宕山の南側山頂から麓までケーブルカーが運行されていたが、戦時中の物資供出で廃止された。
地蔵堂には神仏習合時代の名残として十一面観音や戦争の慰霊碑なども並び、儒医の亀井南冥やその子孫に関連する句碑などと共に、静かにこの地の歴史を伝えている。
古代の防人が見たであろう景色から現代の夜景まで、2千年の歴史の移ろいに思いをはせたい。

PHOTO SPOT  頂から望む博多湾と初日の出

美しい日の出に出合える場所

境内は、福岡市を代表する「初日の出」スポットしても名高い。本殿の裏手から博多湾、福岡タワー、能古島、海の中道までを一望しつつ、東南東から昇る御来光を拝む。大晦日23時から「除夜祭」が始まり、元日を迎えると同時に太鼓の合図で社殿がライトアップされる。

行事・祭り

春の桜まつり、ほおずき夏祭り

地域の人々が参加してにぎわう「ほおずき夏祭り」

一年の幕開けは、年明けすぐの午前3時から新年の平安と繁栄を祈る「元旦祭」。1月24日の「正月大祭」では、巫女らによる舞が厳かに奉納される。2月の「厄除け節分祭」では、古式ゆかしい星祭りの神事と盛大な豆まきを催行。境内は福を求める人々の熱気に包まれる。

桜の名所で春には約2千本が咲き誇る


約2千本の桜が咲き誇る春の「桜まつり」では、ライトアップされた夜桜の幽玄な風景が人々を魅了する。

「ほおずき夏祭り」のキャラクター・ほおずきちゃんのパネルは子どもに人気

7月の「ほおずき夏祭り」は、安産や子宝への感謝を込めてホオズキを奉納するほおずき市が起源。現在は、各国グルメや浴衣コンテスト、スイカ割り、かき氷早食い大会など、大人から子どもまで楽しめるイベントとして大いににぎわう。

一般も参加して冬の火渡り

焚(た)かれた護摩の上を素足で渡り心身の無事を祈願する

数ある祭りの中でも特に有名なのが「大柴燈護摩供」の火渡り神事( 12月)。英彦山修験の流れをくむ勇壮な儀式で、修験者に続き一般の参拝者も参加して火の上を裸足で渡って災厄を払い心身を清め、無病息災や諸願成就を祈願する。
境内にある伏見稲荷の「初午祭」や地蔵堂での「地蔵祭」など、神仏習合の歴史を伝える行事もあり、古来の信仰と現代文化が融合した祈りの場として、全国各地から参拝者が絶えない。

見どころ・取り組み

勝ち地蔵にファンも勝利祈願

地蔵堂一角の「勝ち地蔵」は、福岡ソフトバンクホークスとアビスパ福岡の必勝を祈念して有志によって1989年に設置された。地蔵の右手にはバット、左手にはサッカーボールを持つ。多くのファンが必勝祈願に訪れるほか、選手や球団関係者の姿も見られる。

限定御朱印、開運の破魔矢

“夢叶う矢” としても知られる開運の破魔矢

月替わりで授与している御朱印はチューリップ、桜、紅葉といった季節ならではの図柄で、毎月楽しみに拝受に訪れる人も。正月限定の豪華版御朱印を毎年楽しみにする参詣者も多い。授与品では、黒田忠之が愛宕神社に寄贈したことに由来する開運の破魔矢と熊手が広く知られる。厄災を吸い取り封印する開運の赤いひょうたんが付いていて、〝夢叶う矢〞とも呼ばれている。

閑話休題  「岩井屋」で憩う いわい餅

甘味茶屋「岩井屋」

参拝者の憩いの場として長く愛されているのが、神社入り口の「岩井屋」。創業は1689年で、当初は唐津街道沿いに構えた旅籠だった。現在の場所に甘味茶屋として看板を掲げたのは約130年前で、今の当主は21代目に当たる。

いわい餅

名物は「いわい餅」。ほどよい甘さのあんを包んだ焼き餅(こしあん、つぶあん、抹茶、栗入りつぶあん)で、コーヒーや抹茶と味わいたい。夏場はかき氷の人気が高い。

年中行事

1月23、24日 正月大祭
4月1~15日 愛宕桜まつり
7月7日 愛宕七夕祭り
7月19、20日 ほおずき夏祭り
7月24日 夏季大祭
11月1日 鎮火祭
12月5日 火祭り(大柴燈護摩供)

【住所】 〒819-0015 福岡市西区愛宕2-7-1
【電話】 092-881-0103
【開閉門】 終日開門
【交通】 西鉄愛宕神社前バス停から徒歩約10分、福岡市地下鉄室見駅から徒歩約12分
【地図】https://maps.app.goo.gl/dE37cKK6hT4vNusU9

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