久留米大学先端癌治療研究センター市民公開講座「あなたの癌を狙い撃ち―プレシジョンメディシンの衝撃―」が10月25日（土）、石橋文化会館小ホール（福岡県久留米市野中町1015）で開催されます。久留米大の教授らによる一般向けの内容で、癌（がん）の治療や予防に関する新しい情報を紹介します。申し込み不要、参加無料です。

講演１「ここまで改善した婦人科がん治療―バイオマーカー治療を中心に―」

＜講演1＞「ここまで改善した婦人科がん治療―バイオマーカー治療を中心に―」の講師は、久留米大学 産婦人科学講座の西尾 真准教授。

「近年婦人科がんにおいて卵巣がんや子宮体がんを中心に、がん自体の遺伝子検査のようなバイオマーカーに基づく治療で、従来の治療に比べて明らかに治療成績が改善しました。本講演では、最新の婦人科がんにおけるバイオマーカーに基づく治療について解説をします」

講演2「食道がん、きちんと知れば大丈夫！―最新治療と予防のポイント―」

＜講演2＞「食道がん、きちんと知れば大丈夫！―最新治療と予防のポイント―」の講師は、久留米大学 外科学講座の森 直樹准教授。

「食道がんは、厚生労働省【2023年人口動態統計】によると、男性では8647人（第7位）、女性では2103人（第11位）の死亡者を出している疾患です。また、【全国がん登録罹患数・率報告2021】では、罹患者数は男性で21150人（第7位）、女性で4925人（第14位）と報告されています。食道がんは男性に多く、特に60～70歳代に好発します。日本人に多く見られる組織型は扁平上皮がんで、主な危険因子として喫煙と飲酒が挙げられます。一方、野菜や果物の摂取は予防因子として知られています。
食道がんの診断には内視鏡検査、CT検査、PET検査、MRI検査が用いられます。特に早期診断には内視鏡検査が不可欠で、初期のがんは内視鏡的切除で根治可能です。進行度の診断には、CT、PET、MRIなどの検査を組み合わせて行い、治療方針が決定されます。
治療方法には内視鏡治療、手術、薬物療法、放射線療法があり、がんの進行度（ステージ）に応じて選択されます。現在、これら治療法を組み合わせた集学的治療が行われており、食道がん克服を目指した治療法が進展しています」

講演3「体に負担の少ないがん治療－画像下治療の最前線－」

＜講演3＞「体に負担の少ないがん治療－画像下治療の最前線－」 の講師は、久留米大学 放射線医学講座　の田上秀一主任教授。

「体の病気を見つけ、治すために欠かせない『画像診断』。胸部レントゲンやCT、MRIなどは皆さんにも馴染みがあると思います。近年は、これらの画像を見ながら体に大きな負担をかけずに行う治療＝「カテーテル治療（IVR：画像下治療）」が大きく進歩しています。“体への負担が少ない”のがカテーテル治療の大きな特徴ですが、その安全性を保つためには高精度の画像診断が欠かせません。また治療に必要な器具の進歩も重要です。それらを組み合わせた画像下治療には主には放射線科のなかのIVR治療専門医が活躍しています。この講座では、進歩するカテーテル治療の現状と未来について、皆さんにわかりやすくお伝えします」

講演4「あなたはあなた。私はワタシ。―大腸がんのお話―」

＜講演4＞「あなたはあなた。私はワタシ。―大腸がんのお話―」 の講師は、久留米大学 外科学講座の主藤朝也 准教授。

「『がんパネル検査と治療』についてお話します。大腸がんは世界的にも疾患にかかる人が多く、日本国内でも非常に多くの方が治療を行っています。がんの遺伝子を調べることで治療に役立てる『がんパネル検査』が日本国内でもスタートし、実際の治療方針の決定に役立てられるようになったことを分かりやすく紹介します」

★各講演後には、会場参加者との質疑応答時間も設けられます。癌の治療や予防について知りたい人は、ぜひ足を運んでみてください。入場無料、事前申し込み不要、当日直接会場へ。

久留米大学先端癌治療研究センター市民公開講座
「あなたの癌を狙い撃ち―プレシジョンメディシンの衝撃―」

日時：10月25日（土）　14：00～16：00（13：30開場）
場所：石橋文化会館小ホール（福岡県久留米市野中町1015）
定員：120人
※入場無料、事前申し込み不要
【主催】久留米大学端癌治療研究センター
【後援】福岡県、久留米市、久留米市保健所、久留米学術研究都市づくり推進協議会、福岡バイオコミュニティ推進会議、公益財団法人ふくおか公衆衛生推進機構、西日本新聞社、毎日新聞社、朝日新聞社
問い合わせ：久留米大学先端癌治療研究センター分子標的部門（担当：増成さん）
電話：0942-31-7748