夏は海!とは言っても、こう暑くてはなかなか海には出掛けられません。そこでおすすめなのが、ウェブミュージアム「海をつなぐミュージアム MOON」で7月20日に公開された「図書館とであう海の本」。全国100館の図書館が参加する初の試みで、図書館員が選んだ約600冊のさまざまな“海の本”とあなたの好きな場所で出会えます。
目次
「図書館とであう海の本」とは?
一般社団法人3710Lab(みなとラボ)が、日本財団の助成のもと運営するウェブミュージアム「海をつなぐミュージアム MOON(Museum of Ocean Nexus)」において、7月20日(海の日)に公開した常設展「図書館とであう海の本」。
全国の図書館が協力して展示を作るというはじめての取り組みです。
公益社団法人日本図書館協会との共催により実現したもので、全国100館の図書館から寄せられた選書をもとに、約600冊の海に関する本をウェブサイトにて紹介します。
まずは第一弾として200冊を公開し、今後も順次追加予定です。
全国の図書館員が選んだ「海をつなぐ本」を、それぞれの選書コメントとともに紹介することで、多様な海との出会いを届けます。
図書館員のおすすめコメントから本に出会う
紹介するすべての本には、図書館員による選書コメントが添えられています。なぜその本を選んだのか、どのような海の姿が描かれているのか、それぞれの思いを知ることができます。
各館は「子どもに読んでほしい」「ノンフィクション」「フィクション」「地域と関わりのある本」の4つのカテゴリで選書を行いました。
なかには、図書館でのエピソードや個人的な海との思い出が綴られたコメントもあり、本だけでなく、図書館員の視点から新たな海や本との出会いを楽しめます。
<おすすめコメントの一部紹介>
「すいめん」高久至(文・写真)、アリス館、2021年
【鹿角市立花輪図書館・十和田図書館】
海の色といえば濃い青だと思っていた。この本に出会うまでは。海の世界と空の世界とその境目を捉えたこの写真絵本は、海の様々な表情といろんな青を見せてくれる。
静かな海の中から見上げると、太陽の光や空が透けて見える。大波がやってきた日の水面の泡立ちは、荒れた空のようにも見える。そして海の中では、たくさんの生物がはぐくまれている。
魔法のとびらを開けるように、ページをめくって海から見た世界に出会ってほしい。
『海のいのち』立松和平(作)、伊勢英子(絵)、ポプラ社、1993年
【市貝町立図書館】
私の住む栃木県には海がありません。栃木を代表する作家、立松和平も、小学生になるまで海に行ったことがなかったようです。そのためか、海への憧れや恐怖心に臨場感があります。
千匹に一匹だけ釣るという漁師の姿は、今こそ考えなくてはならないメッセージですね。そして伊勢英子の絵の力強さ。水面のきらめきは見惚れるほど美しく、一方で、光が届かなくなる深海の静けさは不気味です。
海を知る人にも知らない人にも、おすすめです。
4つの入り口から「海の本」と出会う
「表紙」から偶然の出会いを楽しむ
「表紙から」のページでは、ランダムに並ぶ本の表紙から、偶然の出会いを楽しめます。気になる一冊を見つけたら、そのまま本の紹介ページへ。思いがけない海との出会いが待っています。
「タイトル」から検索する
タイトルや気になるキーワードで本を検索できます。また、「フィクション」「ノンフィクション」「子どもに読んでほしい本」「地域とかかわる本」の4つのカテゴリから探すこともできます。
「言葉」から本の一節に触れる
本の中から選ばれた印象的な一節を引用紹介しています。一つとして同じ海がないように、本の中にも多様な海の表情や世界観があります。気になる言葉を見つけたら、ぜひ一冊まるごと読んでみて。
「図書館」から地域の本をめぐる
全国の図書館を地図上で紹介。地図をクリックすると、その図書館が選んだ「海の本」を一覧で見ることができます。地域ならではの海や文化が感じられる選書の違いも、この展示の楽しみの一つです。
展示企画として全国へ展開
全国各地の図書館でも、この企画の関連展示が続々と開催されています。
「図書館とであう海の本」で紹介している海の本に加え、それぞれの図書館が独自に選んだ海の本や、図書館員によるおすすめコメントなど、館ごとの工夫を凝らした展示を見ることができます。
ウェブ展示で気になった一冊を探しに行ったり、偶然出会った本から新しい海の世界を見つけたり。
本との出会いを、ぜひ近くの図書館でも楽しんでみて。
「海をつなぐミュージアム MOON 」とは?
「MOON 海をつなぐミュージアム」は、海と人とのつながりを深く知り、その関係と価値を見つけていく総合的な海のミュージアムです。
海は、広大無辺な自然でありながら、同時に私たちの暮らしの場であり、文化や記憶、生業など、私たちの営みを育む存在でもあります。
MOONは、そうした海の多様な姿を見つめ直し、過去から現在、そして未来へとつなぐ場をつくりだすミュージアムです。
MOONでは、海との未来の共生社会に向けて、海に関する文化や資料、表現や記録をデジタルアーカイブし、だれもがアクセスできるかたちで保存・公開しています。
また、展示や企画、学びの場のプラットフォームとして、子どもから大人までが海について考え、感じ、楽しむ機会を創出します。
MOONは、すべての人と海の知とよろこびを分かち合い、海とともに生きる未来を、描いていくミュージアムを目指しています。
展示の一部をご紹介
海をつなぐマンガ100選
マンガの劇中では海がどう描かれている? “海視点”から読めば、新たな視野が広がるはず。マンガミュージアムの学芸員や研究者と選んだ作品を紹介。
UMI 2050
日本の臨海地域の2050年の姿を2組(ドットアーキテクツ・オソリサーチ)の建築家が計画。具体的な地域を設定しながら、次世代の海と人との暮らしのあり方を描き出します。
MOON GALLERY
アート、デザイン、建築など、さまざまな海にまつわる作品をアーカイブ。第1弾は、長崎綱雄による大規模インスタレーション「touch」。
企画概要
■展示名:図書館とであう海の本
■公開日:2026年7月20日(海の日)
■内容:全国100館の図書館による選書約600冊の「海の本」を紹介。図書館員による推薦コメント掲載。海をテーマにしたトーク内容の公開。全国図書館での関連展示。
■主催:一般社団法人3710Lab
■共催:公益社団法人日本図書館協会
■助成:日本財団
■掲載サイト:海をつなぐミュージアム MOON
■ウェブサイト制作:株式会社past
参加館一覧(都道府県順)
北海道
浦河町立図書館、京極町生涯学習センター湧学館、中川町中央公民館図書室、函館市中央図書館、新ひだか町図書館、紋別市立図書館、東川町複合交流施設せんとぴゅあⅡほんの森
東北
洋野町立種市図書館、大船渡市立図書館、石巻市立石巻市図書館、岩沼市民図書館、塩竈市民図書館、気仙沼市気仙沼図書館、鹿角市立花輪図書館、鹿角市立十和田図書館、大仙市総合図書館、鶴岡市立図書館
関東
市貝町立図書館、真岡市立図書館、川越市立中央図書館、荒川区立ゆいの森図書館、八王子市南大沢図書館、港区立赤坂図書館、港区立港南図書館、港区立台場図書館、葉山町立図書館、藤沢市総合市民図書館
中部
上越市立直江津図書館、石川県立図書館、金沢市立金沢海みらい図書館、七尾市立図書館、福井県立若狭図書学習センター、安曇野市中央図書館、安曇野市豊科図書館、安曇野市三郷図書館、安曇野市堀金図書館、安曇野市明科図書館、塩尻市立図書館、県立長野図書館、可児市立図書館、各務原市立中央図書館、神戸町立図書館、新城図書館、安城市図書情報館、小牧市中央図書館、愛知県図書館、知多市立中央図書館、田原市図書館
近畿
草津市立図書館、守山市立図書館、大阪市立図書館、尼崎市立中央図書館、淡路市立図書館、奈良県立図書情報館、串本町図書館、和歌山県立図書館
中国・四国
知夫村立知夫村図書館、松江市立島根図書館、福山市沼隈図書館、周防大島町立東和図書館、防府市立防府図書館、山口県立山口図書館、三木町文化交流プラザ、小豆島町立図書館
九州・沖縄
岡垣サンリーアイ図書館、福岡市総合図書館、大木町図書・情報センター図書館、大刀洗町立図書館、多久市立図書館、佐賀県立図書館、鹿島市民図書館、長崎市立図書館、佐世保市立図書館、南島原市図書館、熊本県立図書館、天草市立中央図書館、天草市立牛深図書館、天草市立御所浦図書館、天草市立河浦図書館、御船町図書館、都城市立図書館、川南町立図書館、延岡市立図書館、延岡市立図書館北方分館、延岡市立図書館北浦分館、延岡市立図書館北川分館、屋久島町立尾之間図書室、屋久島町立宮之浦図書室、指宿市立指宿図書館、読谷村立図書館
※一部の図書館は、分館や同一自治体内の図書館とあわせて参加しており、本一覧では代表館として掲載しています。