第3回「脳活川柳」優秀作品発表 テーマ「老い」

 「老い」をテーマに募集した今回の脳活川柳。過去2回を大きく上回る数の力作が集まりました。審査員の富永博嗣編集長ら脳活新聞スタッフ陣が笑いながら、うなずきながら、そして悩みに悩みながら最優秀賞1句、優秀賞5句、佳作10句を選出しました。選評とともに紹介します。

目次

最優秀賞

おかずより 種類が多い 飲み薬   バーフェクト

優秀賞

自分だけ 夫がいると 嘆く母   ペガサス

ふと気付く 子らも高齢 百歳時代   池田香春

耳は遠(えん) トイレは近(きん)で 眠り短(たん)  門司寿子

非常口? そんなものより まずトイレ   中村のひとりごと

同じこと 何度も言うね 貴方もね   まっちい

佳作

青あざに いつどこで何 じっと見る   まだイケル

体操は 杖もいっしょに 両手上げ   穴井幸雄

遺言は LINEしてねと 息子言う   イラン・ドロン

往く年も 暑さに勝ったと 笑こぼれ   みっちゃん

乗り越して また乗り越して ここはどこ?   トンチンカン

老いの金 国と詐欺師が 狙ってる   関野末男

寝る間なし 夜中のトイレ 4回目   園内ひかる

黒いクツ 帰って見ると 白いクツ   黒いカラス

新語増え 前頭葉を あふれ出る   秋子

我が暮し 苦労の肥料(こやし)で 百才に   葉月

選評

「老い」というテーマがごくごく身近だったのでしょうか(失礼)、なんと502人から2481句も寄せられました。アレとソレで会話が成り立つ老夫婦、何を探していたのか忘れてしまった―等々、自虐気味のユーモアがにじむ句が多かったのも特徴です。
 秀作がズラリと並ぶ中、12人の審査員が心に響いた句に投票。最も多くの票を集めたのがバーフェクトさんの一句です。あれにも薬、これにも薬。某審査員は「朝から薬で腹いっぱい」と嘆いています。
 思わずプッと噴き出すのがペガサスさんの一句。それにしても、まだ妻がいると嘆く夫はいないような…。池田さん、親が100歳なら子は70歳代、孫も40歳代といったところでしょう。だからこそ大切なのが健康寿命の延伸です。門司さんは旅行やレジャーの「安近短」にうまく引っかけました。まっちいさんの一句には共感するとともに反省させられます。中村のひとりごとさん、確かにトイレのチェックは外出時の極めて重要な作業です。
 川柳の創作も立派な脳トレ。ちなみに今回の応募者の最高齢は101歳です。皆さんも明るく元気に笑いながら、老いを蹴散らしましょう!(脳活新聞編集長 富永)

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この記事を書いた人

脳活、運動、食事、睡眠、社会参加、脳トレなどの普及・啓発活動による健康寿命の延伸・認知症予防の実現を目指す「脳活新聞」

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