7/11「UDF(ユニバーサルデザインフード)の日」に向け「介護にまつわる意識調査」結果公表

UDF(ユニバーサルデザインフード) とは、日常の食事から介護食まで幅広く使える、食べやすさに配慮した食品のこと。かむ力や飲み込む力に応じた4区分(容易にかめる・歯ぐきでつぶせる・舌でつぶせる・かまなくてよい)と、「とろみ調整」で構成(日本介護食品協議会が定めた自主規格)されています。
2003年7月11日に「UDF(ユニバーサルデザインフード)」の名称と「UDFロゴマーク」が商標登録を受けたことにちなんで、7月11日は「UDFの日」と制定されています。

目次

キユーピーが「介護にまつわる意識調査」の結果を公表

7月11日の「UDFの日」に向け、キユーピー株式会社(東京都渋谷区)が「介護にまつわる意識調査」の結果を公表しました。
同調査は、在宅における介護の実態を調査・分析し、介護の不安解消や課題解決に向けた提案に繋げることを目的とし、2017年にスタート。今回で7回目です。
2002年に日本介護食品協議会が設立し、「UDF」の名称やロゴマークが決定して今年で20年目。
超高齢社会に向かって突き進む日本において、UDFをはじめ「やわらかさに配慮した食品」の重要性はますます高まっています。そこで今回、やわらかさに配慮した食品の「認知とイメージ」についての調査が行われました。

調査方法の概要

■調査手法 :アンケート調査(WEB回答)
■調査期間 :2022年4月6日(水)~5月19日(木)
■調査対象 :キユーピー「やさしい献立」キャンペーンに応募した10代~80代以上までの全国の男女計1,264人

調査結果

調査結果の概要

20年目の「UDF」、認知率は約4割。“イメージのしにくさ”に課題

やわらかさに配慮した食品である「介護食」「やわらか食」「UDF」「スマイルケア食(農林水産省が介護食品の範囲を整備した枠組み)」の4つの言葉(名称)について知っているか尋ねたところ、「介護食」を「知っていて、内容も理解している」「言葉は聞いたことがある」と答えた人は、合わせて95%以上と高い認知率を示しました。
一方、「UDF」は「今回初めて知った」が約6割、「スマイルケア食」では約7割と、「介護食」や「やわらか食」に比べて認知の低さが際立つ結果となりました。
「内容も理解している」はどちらも1割前後と低く、『誰のためのどんな商品』であるのか、名称からイメージしにくいものと推察されます。

やわらかさに配慮した食品、普及に向けて「おいしさ」のマイナスイメージ払拭を

「介護食」「やわらか食」「UDF」「スマイルケア食」の4つの言葉(名称)について当てはまるイメージを尋ねたところ(複数回答可)、「介護食」と「やわらか食」は、「やわらかい」「高齢者向け」のイメージが強いことが分かりました。
さらに「介護食」は、「栄養バランスがよさそう」というポジティブなイメージが強い反面、「おいしくなさそう」というマイナスイメージも他の3つに比べて高いことが示されました。
一方、4つの言葉に共通して「おいしそう」と答えた人が少なかったことから、今後やわらかさに配慮した食品のさらなる普及には「おいしさ」に対するマイナスイメージの払拭が必要になりそうです。
「UDF」と「スマイルケア食」については「イメージがわかない」が最も多く、前述の「名称からのイメージのしにくさ」を裏付ける形となりました。

ネットでの情報発信や販売ルートの拡充でさらなる普及に期待

市販のやわらかさに配慮した食品を買ったことがある人に、初めて利用したきっかけを尋ねたところ(複数回答可)、「ネットで目にして興味」が最も多い結果となりました。
同調査がWEB調査であることも一因と考えられますが、近年「食べやすさに配慮した食事」を準備する人の間でもEC(電子商取引)利用が増加しており、利用者の年齢層が高いカテゴリーでありながらも情報収集手段(または接触機会)として「ネット」が増えていると考えられます。
2番目に多いきっかけは「歯の治療や矯正等でやわらかいものしか食べられなかった」でした。
前述のとおり「おいしい」イメージが少ない中で、歯の治療などで必要に迫られたことが、利用に踏み切るきっかけになっているようです。
これらのことから、味作りのこだわりや利用場面などをネット上で積極的に発信したり、EC販売ルートを拡充したりすることで、やわらかさに配慮した食品の普及が今後さらに進む可能性があると考えられます。

調査結果まとめ

「UDF」ができて20年目の今年、「介護食」の認知率が95%を超えたのに対し、「UDF」の認知率は約4割という結果でした。
「UDF」は、「介護食」という言葉のイメージが高齢者の咀嚼・嚥下障害のみを対象とする印象があるとして、年齢や障害のあるなしに関わらず、普段の食事から介護食まで多くの人が利用できるようにと、日本介護食品協議会が命名。同調査でも「高齢者向け」のイメージが強い「介護食」に対し、「UDF」は「高齢者向け」のイメージはあまりないことが確認できました。
一方で、「UDF」は『誰のためのどんな商品』であるかが具体的なイメージとして伝わりにくいことも明らかに。
比較的高い年齢層が利用する「やわらかさに配慮した食品」も、近年ではネットで購入したり、情報を集めたりする場面が増えています。
今後、ネットでの積極的な情報発信やコミュニケーションがさらなる普及に向けた足掛かりとなりそうです。

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この記事を書いた人

脳活、運動、食事、睡眠、社会参加、脳トレなどの普及・啓発活動による健康寿命の延伸・認知症予防の実現を目指す「脳活新聞」

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